おはようございます。ZMです。
今日は、AI業界の裏側でかなり気になる動きが出ています。
NVIDIAが単にGPUを売るだけではなく、GPUを買う企業に投資したり、借金を保証したりするところまで踏み込んでいることが改めて注目されています。
そして日本では、経済産業省を中心に44社が集まり、国産フィジカルAIを作る大型プロジェクトが始まっています。
AI競争が「どのモデルが一番賢いか」から、資金、インフラ、国家戦略の勝負へ移り始めています。
【1. NVIDIAは、自分でAI需要を作っているのか】
今日一番気になったのがNVIDIAです。
NVIDIAはこの1年ほどで、OpenAI、Anthropic、SpaceXなどを含む多数の企業へ投資を行っています。
さらに、一部の顧客には直接資金を出したり、借金を保証したりすることで、AIインフラ整備を支援しています。
簡単に言えば、
NVIDIAがお金を出す。
↓
顧客がデータセンターを作る。
↓
そのデータセンターにNVIDIAのGPUが入る。
という構造です。
Jensen Huang CEOは「循環取引ではない」と否定しています。
確かに、単純に売上をぐるぐる回しているわけではありません。
ただ、顧客の資金調達をNVIDIA自身が支え、その資金が結果的にNVIDIA製品の購入へ向かうのであれば、AI需要がどこまで自然に生まれたものなのかは見ておく必要があります。
しかも今は、NVIDIAだけではありません。
MicrosoftもAI売上のかなり大きな部分を一部の巨大顧客に依存しており、MetaやByteDanceなどへの集中も見えてきました。
AI業界全体で、
「投資する側」
「買う側」
「売る側」
がかなり複雑に絡み始めています。
AI需要そのものが偽物だと言いたいわけではありません。
実際にAIは使われていますし、データセンターも必要です。
問題は、そこに金融レバレッジが何重にも重なり始めていることです。
需要が伸び続けている間は非常に強い。
でも一度どこかの歯車が狂うと、通常より大きく逆回転する可能性があります。
AIバブルを見るときは、モデル性能やGPU販売台数だけでなく、誰が誰にお金を貸しているのかまで見る必要が出てきました。
【2. 日本の「ラストチャンス」、NOETRA】
一方、日本でもかなり大きなAIプロジェクトが動き始めています。
経済産業省を中心に、SONY、ホンダ、ソフトバンクなど44社が参加する「NOETRA」です。
狙っているのは、ChatGPTのような文章生成AIとは少し違います。
自動運転。
ロボット。
ドローン。
災害予測。
つまり、現実世界を理解し、実際に動くための「フィジカルAI」です。
日本には自動車、ロボット、工場、センサーなど、リアルな世界のデータが大量にあります。
ここは米国のソフトウェア企業とは違う、日本の強みになり得ます。
NOETRAでは、VLAやワールドアクションモデルと呼ばれる、現実世界を理解して行動につなげる基盤モデルを開発しようとしています。
代表者は「これがラストチャンス。一度失敗したら後はない」という趣旨の発言もしています。
かなり強い言葉です。
それくらい、日本がAI基盤を海外企業に依存することへの危機感が強くなっているのだと思います。
実際、海外AI企業が特定モデルの提供対象を変更すれば、日本企業が使えなくなる可能性もあります。
技術だけではなく、国家としてAIを持つ意味が問われ始めています。
ただし課題もあります。
GPUだけ用意すればAIデータセンターが動くわけではありません。
今はメモリ不足と価格高騰も深刻で、巨大な計算基盤を作るには電力、メモリ、冷却設備、通信など全部が必要です。
AI競争は、完全にインフラ戦になってきました。
【3. 米国は金利を抑えたい。でも市場は言うことを聞かない】
米国では、ベッセント財務長官が超長期国債の買い戻し拡大を発表しました。
政府が国債を買い戻すことで、国債価格を支え、長期金利の上昇を抑えようという動きです。
ところが、一度下がった長期金利は翌日にはかなり戻ってしまいました。
ここが面白いところです。
政府は金利を下げたい。
でも市場では、政府の巨額の資金調達に加え、AIデータセンターへの莫大な設備投資によって、世界中で資金需要が増えています。
FRB高官も、最近の長期金利上昇はインフレへの不信感より、政府とAI企業による資金需要の増加が大きいという見方を示しています。
AI企業がデータセンターを作るために大量のお金を借りる。
米政府も大量の国債を発行する。
同じ巨大な資金市場の中で、お金の取り合いが起きています。
少し前まで「AIブーム=NASDAQが上がる」という話でした。
でも今は、AI投資が国債金利にまで影響する規模になり始めています。
これはかなり大きな変化だと思います。
【4. BTCは2日連続急騰】
そして今日は、さすがに相場についても一つだけ触れておきます。
ビットコインが2日連続でかなり大きく上昇しています。
背景には、ホワイトハウスの暗号資産サミット以降、米国の暗号資産政策への期待が一気に強くなったことがあります。
ETFにも3日連続で資金が入り、米国市場の買いを示す指標も改善しています。
一方で、資金調達率は再びマイナスです。
つまり価格が上がっているのに、「そろそろ下がるだろう」とショートする人もまだ多い。
そのショートが踏み上げられれば、さらに価格が上へ走る可能性があります。
ただ、こういう急騰局面はロスカットによる強制買い戻しも含まれています。
政策面の追い風が強くなったことと、短期的にどこまで上がるかは別の話です。
最近の暗号資産は久しぶりにかなりボラティリティが戻ってきました。
【今日思ったこと】
今日のニュースを並べると、一つ共通しているものがあります。
それは「インフラと資本」です。
NVIDIAは顧客に資金を出してAIインフラを作らせる。
Microsoftも巨大顧客と深く結びつく。
日本は国を挙げてフィジカルAIの計算基盤を作る。
そして、そのAI設備投資のための巨大な資金需要が国債市場にまで影響し始める。
AI競争は、もう単純なモデル性能の勝負ではありません。
資金を集められるか。
電力を確保できるか。
GPUとメモリを確保できるか。
国として技術基盤を持てるか。
ここまで含めた総力戦になってきています。
今後AIを見るときは、「どのAIが一番賢いか」だけではなく、
誰がインフラを持っているのか。
誰がお金を出しているのか。
そして、そのリスクを最後に誰が背負っているのか。
この3つを見ると、かなり景色が変わってくると思います。
今日はこのあたりです。
今日も頑張りましょう。
それでは、また明日。
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【参考|今日のマーケット】
ドル円:159円台
NYダウ:52,764ドル
NASDAQ:26,067ドル
S&P500:7,656ドル
日経平均:66,216円
GOLD:4,575ドル
WTI原油:86ドル
BTC:72,680ドル
ETH:2,313ドル
※BTCは2日連続で大幅上昇。ETFは3日連続流入となり、今週の流入額は10億ドルを超えています。



