おはようございます。ZMです。
今日は、少し不気味な市場です。
米国株、日本株、金がそろって下落する一方、ビットコインだけが64,000ドル台で強い。
そして裏側では、米10年債利回りが4.75%まで上昇し、世界的な国債売りが進んでいます。
さらに、バンク・オブ・アメリカの機関投資家調査では、ファンドマネージャーの株式比率が2021年11月以来の高水準。現金比率はわずか3.5%まで低下しました。
つまり、みんなかなり強気です。
今日は、この「強気すぎる市場」と、その中で逆行高しているビットコインを中心に整理します。
【市場全体】
まず、為替です。
ドル円は159.597円。
ここ数日は159円台で推移していますが、チャートを見ると下ヒゲが多く、上ヒゲがほとんどありません。
下がれば買いたい人は多い。
でも、積極的に円を買ってドルを売りたい人は少ない。
そんな形です。
160円も目前ですが、ここまで来ると追加の為替介入も意識されます。
ロング方向にはチャンスがありそうですが、突然数円落ちるような動きも十分あり得るので、かなり難しい位置です。
株式市場は全面安でした。
NYダウは53,348ドル、ナスダックは26,289ドル、S&P500は7,701ドル。
日経平均も69,000円台から67,460円まで大きく下落しました。
金も200日移動平均線を一度下抜けるような動きとなり、貴金属全体が弱い。
その中で原油は84ドル台を維持しています。
イラン情勢が悪化しているため、下値がかなり固くなっています。
【BTCだけが強い】
そして今日、最も目立っているのがビットコインです。
BTCは64,565ドル。
株も金も下がっているのに、ビットコインとイーサリアムはプラスです。
一つの背景として考えられているのが、米国時間19日、日本時間20日に予定されているホワイトハウスでの暗号資産関連会議です。
CLARITY法案に関わる主要人物が集まり、9月の法案成立へ向けた前向きな発言が出るのではないかという期待があります。
ETFにも月曜日だけで2.97億ドルの資金が入りました。
さらにBloombergは、ビットコインの大口保有者、いわゆる「クジラ」が再び買いに転じていると報じています。
ここ数カ月、個人投資家や暗号資産ファンドからは資金が抜けていました。
その一方で、オンチェーンを見ると大口が少しずつBTCを増やしている。
これは面白い動きです。
【ショートが燃料になる可能性】
もう一つ注目したいのが、デリバティブ市場です。
コインベースプレミアムはまだマイナスですが、改善傾向。
一方でショートポジションの清算が増え、資金調達率もマイナスになっています。
つまり、「ここから下がる」と考えてショートしている参加者が増えている可能性があります。
こういう状態で価格が上がると、ショート勢が損切りのためにBTCを買い戻します。
その買い戻しがさらに価格を上げ、また別のショートが清算される。
いわゆるショートスクイーズです。
65,000ドルを明確に突破できれば、もう一段上へ動く可能性はあります。
ただし、65,000ドルはこれまで何度も跳ね返されている水準です。
今から無理に追いかける場所ではないと思っています。
【世界で国債が売られている】
一方で、株式市場にとってかなり気になるのが金利です。
米10年国債利回りは一時4.75%。
約19カ月ぶりの高水準です。
しかも米国だけではありません。
フランス、イギリス、ドイツなどでも長期金利が上昇しています。
世界的に国債が売られている。
背景には、インフレ懸念と国債の大量発行があります。
債券利回りが上がれば、安全資産でも高い利回りを得られるようになります。
すると、「わざわざ高い株を買わなくてもいい」という選択肢が生まれます。
株式市場にとって5%近い長期金利は、決して軽い話ではありません。
【みんな強気すぎる】
そして今日、個人的に一番気になったのがバンク・オブ・アメリカの調査です。
ファンドマネージャーの株式オーバーウエイト比率が、2021年11月以来の高水準まで上昇しました。
現金比率は3.5%。
かなり低いです。
要するに、機関投資家はすでにかなり株を持っています。
景気後退は来ない。
FRBも大きく利上げしない。
AI投資も続く。
市場参加者の見方が、かなり同じ方向に揃っています。
一見するとポジティブです。
でも投資では、みんなが強気になっていることが必ずしも強気材料とは限りません。
すでに全員が買っているなら、次に買う人は誰なのか。
これが問題です。
BofAも、今はさらにリスク資産を増やすより、リスクを減らす、あるいは投資先を入れ替える局面ではないかと指摘しています。
強気相場の終わりだと言っているわけではありません。
ただ、「悪材料がないから上がる」という相場は、悪材料が一つ出たときに脆い。
今はそういう状態に近づいている気がします。
【イラン、停戦は事実上失効】
その悪材料候補の一つが、中東です。
6月に結ばれた事実上の停戦覚書は期限を迎えました。
90日延長の可能性もありましたが、延長されていません。
トランプ大統領も、イランとの協議や対話の予定はないとしています。
つまり、かなり不安定な状態に戻っています。
原油が84ドルで下げ止まっているのも、この影響です。
ここから軍事衝突が拡大すれば、原油高→インフレ→金利上昇という流れが再び強くなります。
株式市場にとっては非常に嫌な組み合わせです。
【Meta、29州から訴えられる】
テックではMetaの裁判も注目です。
米国29州がMetaを相手取った集団訴訟が始まりました。
争点はSNSの中毒性です。
無限スクロールなど、ユーザーを長時間滞在させるための設計そのものが問題視されています。
もしMetaが敗訴すれば、巨額賠償だけでなく、無限スクロールなどの仕様変更を迫られる可能性があります。
これはMetaだけの問題ではありません。
TikTok、YouTube、Xなど、ユーザーの「滞在時間」を収益化するSNS全体へ波及する可能性があります。
オーストラリアなどでは、若年層のSNS利用そのものを制限する流れも始まっています。
AIがコンテンツを無限に作れるようになるほど、「人間の注意時間」をどう扱うかという問題は、むしろ大きくなるのかもしれません。
【今日のポイント】
今日は、BTCの強さと、株式市場の過熱感が対照的です。
株・金が下がる中、BTCにはETF資金が入り、クジラの買いも確認されています。
一方で、世界では国債売りが進み、米10年債は4.75%。
そして機関投資家は、現金比率3.5%まで株を買っています。
今日見るべきポイントは3つです。
ビットコインが65,000ドルを突破し、ショートスクイーズへ入るか。
世界的な金利上昇が、株式市場のバリュエーションを押し下げ始めるか。
「みんな強気」の状態で、次の買い手が本当に残っているのか。
市場は、ニュースの良し悪しだけでは動きません。
すでに誰が何を織り込んでいるか。
そして、次に買う人、売る人が誰なのか。
そこまで見ることが大事です。
今日も、数字の上下だけでなく、その裏にある構造を見ていきましょう。



