AIバブル警戒が強まる──日経急落、BTC6万ドル攻防、日本発AIにも注目
ドル円は161円台で推移。AI関連株に調整圧力が出る中、日本発AI「Fugu Ultra」とマイクロン決算が次の焦点に。
おはようございます。ZMです。
今日は、AI相場の熱狂に少し警戒感が出てきた一日です。
ドル円は161.56円で推移し、160円台が完全に定着してきました。国債金利は前日に大きく上昇し、特に長期債の金利上昇が目立っています。株式市場は主要指数が下落し、日経平均も69,788円まで下げました。1日で3.55%の大幅下落です。
これまでかなり強かった日本株にも、いよいよ調整の兆しが出てきました。
一方で、原油は73ドルまで下落し、金も4,123ドルで下落トレンドが継続。ビットコインは62,500ドル付近まで下げ、6万ドルを試す展開が続いています。
今日の大きなテーマは、AIブームの過熱、暗号資産の資金流出、そして日本発AIの可能性です。
【市場全体】
まず市場全体です。
米国株は大きく下落しました。NYダウの下げ幅は比較的小さかったものの、ナスダックとS&P500は大きく売られています。NYダウは約30社の優良株で構成されている一方、S&P500は500社、ナスダックは約3,300社で構成されています。そのため、広い銘柄に売りが出る局面では、ナスダックやS&P500の方が値動きが荒くなりやすいです。
今回はまさにその形でした。
特に、韓国のSKハイニックスやSamsung電子がアジア時間に急落したことで、米国市場でもAIブームの過熱に対する警戒が強まりました。マイクロンの決算発表を前にリスク回避の動きが先行し、エヌビディアやマイクロンも売られています。
一方で、資金の退避先として米国債が買われ、債券価格が上昇し、金利は低下しました。つまり、市場は少しリスクオフに傾いています。
【日本株】
日本株も大きく下げました。
日経平均は69,788円となり、前日比で3.55%の大幅下落です。ここまで71,000円台まで上がっていたことを考えると、上昇の勢いがかなり強かった分、調整も大きくなりやすい局面です。
特に気になるのはキオクシアです。
キオクシアは一時113,000円まで上昇していましたが、昨日は92,000円まで急落しました。10%以上の下落です。キーエンスは日本で時価総額1位、世界でも上位に入る日本を代表する企業です。そのキーエンスがこれだけ大きく下げたことは、日本株全体の過熱感を考えるうえでも重要です。
ファーストリテイリングなど、日経平均を牽引する主要銘柄はまだ高値圏を維持しています。ただ、トヨタはダブルトップのような形にも見えており、個別銘柄ごとの温度差が出てきています。
今の日本株は強いです。ただし、強いからこそ、高値圏で追いかけるよりも、調整のサインを冷静に見る必要があります。
【暗号資産】
暗号資産はかなり弱いです。
ビットコインは62,500ドル付近で下落が続き、60,000ドルを試す展開になっています。資金フローを見ると、6週連続で流出が続き、今週もマイナススタートです。CMEポジションも流出が続き、再び安値を試す動きになっています。
さらに、Coinbaseプレミアムはマイナスのままです。現物売りが優勢で、買いの勢いは弱い。一方で、資金調達率はプラスで推移しています。
これはあまり良い形ではありません。
現物は売られているのに、先物ではロングが積み上がっている。つまり、実需の買いが弱い中で、レバレッジをかけた上目線のポジションが増えている状態です。こういうときは、下に動いたときにロングの巻き戻しが起きやすく、急落リスクが高まります。
今のビットコインは、60,000ドル割れをかなり意識しておく局面です。慌てる必要はありませんが、楽観だけで見る相場ではありません。
【地政学リスク】
地政学リスクも引き続き複雑です。
イラン情勢では、トランプ大統領が、凍結資産を米国管理のエスクロー口座に入れ、米国産の食料や医療用品の購入のみに使うと主張しています。さらに、イランが最高水準の核査察を受け入れることで合意したとも説明しています。
一方で、イラン側はこれに反論しています。資金は自由に使えると主張し、核査察に関する内容も否定しています。
つまり、双方が進展を主張しているものの、凍結資産の扱いや核問題をめぐる認識の差は大きいままです。
また、ホルムズ海峡の船舶通行は持ち直しつつあり、原油価格は下落しています。これは市場にはプラスですが、中東情勢が完全に落ち着いたとはまだ言えません。
【SpaceXと金融市場】
SpaceX関連では、ゴールドマン・サックスの好調が目立ちます。
4〜6月期の株式トレーディング収入は50億ドルを超え、過去最高を更新する見通しです。SpaceXのIPO主幹事を獲得したことも大きく、手数料収益の増加につながっています。
一方で、SpaceX自身は初の投資適格社債発行で250億ドルを調達する見通しです。IPOに続き、債券市場でも大規模な資金調達を進めています。
ただし、債券市場では少し慎重な見方もあります。5種類の社債のうち、短期のものに注文が集中しており、長期的な見通しに対しては不安も残っているようです。
ここは重要です。
株式市場ではSpaceXへの期待が非常に強い一方で、債券市場ではより冷静にリスクを見ている可能性があります。株式の熱狂と債券市場の慎重さ。この温度差は、今後のAI・宇宙インフラ投資を見るうえで大切です。
【AIとFugu Ultra】
AI関連では、日本発のAI「Fugu Ultra」に注目です。
Fugu Ultraは、東京港区のサクラAIが一般提供を開始したアグリゲーター型AIです。Anthropic、OpenAI、Geminiなど、複数のAIモデルを組み合わせて利用する仕組みで、特定のAIだけに依存しない点が特徴です。
これはかなり面白いです。
最近は、米国政府によるAI提供停止リスクや、特定モデルへの依存リスクが意識されています。もし一つのAIに業務を依存していた場合、そのモデルが停止された瞬間に業務が止まる可能性があります。
Fugu Ultraのように、複数のAIを切り替えて使える仕組みは、そのリスクを下げる可能性があります。
さらに、プログラミング分野ではGoogleなどの最新AIを上回る性能を記録し、Mitosに匹敵するレベルに到達したとされています。日本発のAIがこのレベルまで来ていることは、かなり重要です。
AI競争は、アメリカと中国だけの話ではありません。国産AIや、複数モデルを組み合わせる仕組みの重要性も高まっています。
【AIバブルへの警戒】
一方で、AIブームには過熱感もあります。
韓国の半導体株が急落し、米国のAI関連株も売られました。エヌビディアやマイクロンに売りが出ていることは、AI相場の一部に調整圧力が出てきたサインです。
カナダ銀行総裁も、米国への過度な資本流入や株式市場のバリュエーション上昇が、痛みを伴う調整につながる可能性を警告しています。
これはかなり重要です。
いま世界中の資金がアメリカのAI関連企業に集まっています。しかし、その資金流入がどこかで反転すれば、影響は米国だけでなく、世界の金融システムに広がる可能性があります。
AIは本物の成長テーマです。ただし、本物のテーマであっても、価格が先に行きすぎれば調整は起こります。
【今日のポイント】
今日のポイントは3つです。
1つ目は、AI関連株に調整圧力が出始めていることです。韓国半導体株、エヌビディア、マイクロン、日本のキーエンスまで、強かった銘柄に売りが出ています。
2つ目は、ビットコインの資金フローが弱く、60,000ドル割れを試す可能性が高まっていることです。現物売りと先物ロングの組み合わせは、下方向へのリスクを高めます。
3つ目は、日本発AI「Fugu Ultra」のように、AIを使う側のリスク分散が重要になってきたことです。これからは、どのAIが一番賢いかだけでなく、どのAIを継続して安全に使えるかも大事になります。
今の市場は、AIへの期待で大きく上がってきました。
ただ、その裏側では、資金流出、過熱感、地政学リスク、モデル依存リスクが積み上がっています。
こういう時ほど、表面的な熱狂ではなく、どこに本物の価値があり、どこに過剰な期待があるのかを見極めるリテラシーが必要です。
忙しい人のための、AI時代の朝3分リテラシー習慣。
マーケット・AI・Web3・地政学の重要ニュースを、図解付きでわかりやすく整理します。



