ドル円、1時間で7円急落|日米協調介入か、日銀会合前に市場混乱
円相場は一時157円台まで急騰。米テック株は好決算で上昇する一方、9月利上げ観測と8月相場への警戒が強まっています。
おはようございます。ZMです。
今日は、為替市場で異常な動きが起きています。
ドル円は163円台から一時157円台まで、約1時間で7円近く急落。その後は159円台まで戻していますが、通常の値動きとは考えにくく、日米が連携した為替介入との見方が広がっています。
一方、米国株はMicrosoftやAmazonの好決算を受けて大幅上昇。為替、金利、株、暗号資産で方向感が分かれる、かなり不安定な朝です。
【ドル円、1時間で7円急落】
今日の最大のニュースは、ドル円です。
円相場は一時157円台まで急騰し、現在は159円台で推移しています。わずか1時間ほどで約7円動くという、極めて大きな変動でした。
市場では、日本政府・日銀による実弾介入に加え、米国の通貨当局が事前にレートチェックを行った可能性が意識されています。
為替介入への警戒感が薄れ、円売りポジションが積み上がったタイミングを狙われた形です。
ただし、介入が入ったからといって、円安トレンドが完全に終わったとは限りません。
2024年夏にも、ドル円は160円付近から140円付近まで、1〜2カ月かけて約20円下落しました。今回も、一度の急落で終わるのか、数週間にわたる円高局面へ入るのかを見極める必要があります。
本日は日銀金融政策決定会合と植田総裁の会見も控えています。
追加利上げや今後の政策姿勢について強いメッセージが出れば、円高がさらに進む可能性があります。逆に慎重な内容であれば、介入後の円高が巻き戻されることも考えられます。
今日は、為替の乱高下に注意が必要です。
【米国株はテック決算で大幅上昇】
米国株は大きく上昇しました。
ダウ平均は52,213ドルで1.2%高。ナスダックは2.7%上昇し、S&P500も上昇しています。
主役は大手テック企業の決算です。
Microsoftは決算発表後、一時15%上昇するという大きな値動きになりました。AI需要とクラウド事業への期待が、改めて株価を押し上げています。
Amazonも、クラウド事業AWSの売上高が前年同期比37%増の422億ドルとなり、市場予想を大きく上回りました。
AI投資が巨額のコストで終わるのか、それとも利益につながるのか。MicrosoftとAmazonは、現時点では「利益へ変換できている企業」として評価されています。
一方、Appleは中国事業とサービス事業の売上高が市場予想を下回り、やや失望感の残る内容でした。
AI相場では、何に投資しているかだけでなく、その投資が実際の売上や利益につながっているかが、企業評価を分け始めています。
【FOMC後も利上げ観測が優勢】
直近のFOMCでは、政策金利の据え置きが決まりました。
ただし、市場の関心はすでに次の9月会合へ移っています。
現在は、利下げ確率が約36%に対して、利上げ確率は約63%。据え置き後にもかかわらず、利上げ観測が優勢です。
米国の4〜6月期GDP速報値は、前期比年率1.5%まで減速し、市場予想を下回りました。
一方、個人消費は3.2%と堅調です。景気全体は減速しているものの、消費の強さが残っているため、インフレへの警戒を完全には解けません。
PCE価格指数は低下し、インフレ鈍化を示しています。
景気減速、強い消費、インフレ鈍化。この3つが同時に出ているため、FRBの判断も難しくなっています。
【BTCは65,000ドルを試す】
ビットコインは64,837ドル付近で推移し、再び65,000ドルを試しています。
7月の月間パフォーマンスは、現時点で約10%のプラスです。ただし、67,000ドル付近が強い抵抗帯として機能しており、ここを明確に抜けられるかが次の焦点です。
今週のETFフローは、月曜日が11百万ドルの流出、火曜日が49百万ドルの流出、水曜日が32百万ドルの流入でした。
全体ではほぼプラスマイナスゼロ付近で、大規模な売り圧力はいったん落ち着いています。
イーサリアムも1,927ドルまで戻し、2,000ドルを試す展開です。
ただし、暗号資産市場にはクラリティ法案という大きな材料があります。
ブラックロックやコインベースなどが、8月の議会休会前の成立へ向けて動いています。成立すれば短期的な上昇材料になりますが、先送りされれば失望売りにつながる可能性があります。
【8月相場への警戒】
7月は、ビットコインも米国株も比較的強い動きでした。
ただ、過去数年は7月に上昇し、8月に下落するパターンが続いています。
今年も、利上げ観測、インフレの不透明感、AI関連株の調整、クラリティ法案の行方など、8月の警戒材料は多いです。
特に気になるのが、AI関連株の急落です。
OpenAI元研究者が設立したAI関連ヘッジファンドは、メモリー関連株の下落で大きな損失を出し、保有株の多くを損切りしたとされています。
韓国のレバレッジETFも、約1カ月で運用資産が70%近く減少しました。
AI需要がなくなったわけではありません。ただ、期待が高すぎた銘柄や、レバレッジをかけすぎた投資には、大きな巻き戻しが起きています。
【イラン情勢と原油】
原油は84ドルで底堅く推移しています。
米軍とイランの空爆の応酬が続き、戦火は中東全域へ広がっています。ホルムズ海峡も閉鎖状態とされ、LNGや原油の供給減少が懸念されています。
地政学リスクが長期化すれば、エネルギー価格は再び上昇しやすくなります。
原油高はインフレに、インフレはFRBの利上げ判断に、金利は株と暗号資産に影響します。
為替介入だけを見ていると、こうした大きな流れを見落とします。
【今日のポイント】
今日の市場は、円高、株高、利上げ観測が同時に進む複雑な状態です。
ドル円は介入とみられる動きで一時157円台まで急落。米国株はMicrosoftとAmazonの好決算で大きく上昇しました。
一方で、9月の利上げ確率は63%まで高まり、8月相場にはAI株調整や暗号資産法案の先送りリスクも残っています。
今日見るべきポイントは3つです。
日銀会合と植田総裁の発言で、円高がさらに進むか。
ビットコインが65,000ドルを超え、67,000ドルへ向かえるか。
MicrosoftやAmazonのように、AI投資を利益へ変えられる企業へ資金が集中するか。
ニュースは単体で見ないことが大事です。
為替介入は円相場に、日銀会合は金利に、米テック決算は株に、クラリティ法案は暗号資産に、イラン情勢は原油とインフレに効いてきます。
今日も、数字の上下だけでなく、その裏にある構造を見ていきましょう。



